万一に備えるための〜保険の相続対策
万一に備えるための〜保険の相続対策
文書作成日:2016/06/05


 遺言により、生命保険金の受取人を変更することはできますか?




 父が亡くなり、遺言書がみつかりました。
ここには、次の生命保険契約の受取人を次男に変更する旨の記載があります。

  契約者=父 被保険者=父 受取人=長男

 この遺言により、受取人を次男とすることはできますか?




 諸要件を満たせば、遺言による受取人の変更は可能です。




 平成22年4月1日に施行された「保険法」で、遺言による保険金受取人の変更が可能となりました。
原則、保険法施行後の契約が対象となりますが、保険会社によって異なります。

第四十四条(遺言による保険金受取人の変更)
  保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができる。
2 遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人がその旨を保険者に通知しなければ、これをもって保険者(保険会社)に対抗することができない。

 これにより、保険契約上の受取人指定日と、遺言書の日付のいずれか新しい方が効力を持つことになります。

 遺言の受取人に変更する場合は、保険契約者の相続人から保険者(保険会社)に連絡の上、所定の手続きをしなければなりません。但し、既に保険金が契約上の受取人に支払われた後の場合は、遺言による受取人に変更をすることはできません。

 また、遺言で保険金受取人を変更する場合には、
  • 被保険者の同意を得ていること(遺言の効力発生後でもよい)
  • 法律上有効な遺言であること
  • 保険会社の取扱要件を満たすこと
などが必要です。

 多くの保険会社では、「法律上有効な遺言であれば、受取人に指定できる方の範囲に定めはない」としているようですが、「配偶者、2親等以内の親族」といったように、その範囲を親族に限定している保険会社もあります。
 さらに、どの保険契約か特定できない、遺言自体が無効などといった不備も多く、スムーズに支払われるケースはまだ多くないようです。
 そのため、遺言での変更は可能ですが、よりスムーズに保険金を受取るためにも、保険契約での受取人変更が推奨されています。

 これから遺言を作成される方は、事前に保険会社の取扱要件を確認し、専門家に相談の上で作成されることをお勧めします。


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