万一に備えるための〜保険の相続対策
万一に備えるための〜保険の相続対策
文書作成日:2016/08/05


 保険金受取人が既に死亡している場合は、誰がその保険金の受取人になるのでしょうか。




 先日母が亡くなり、母が加入していた生命保険の請求をしようとしたところ、受取人が父となっていました。
 父は既に亡くなっており、その際、受取人の変更をしていなかったようです。この場合、母の生命保険は誰が受け取ることになるのでしょうか?

【親族図】

【母が加入していた生命保険契約内容】
 契約者=母
 被保険者=母
 死亡保険金受取人=父(父の死亡後も受取人の変更をせず、そのままになっていた)
 死亡保険金の金額=2,000万円




 ご相談の場合、長男と長女が保険金受取人となります。




 平成20年6月に施行された保険法第46条では、次のように規定されています。

保険法 (保険金受取人の死亡)
第四十六条
 保険金受取人が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となる。

 そのためご相談の場合、母の保険において受取人に指定されている父の相続人全員、すなわち長男と長女が保険金受取人となります。

 ではこの場合、受取割合はどうなるのでしょうか。

 保険法第46条は、保険金受取人の決定をするための概念にすぎず、保険金の受取割合まで定めるものではありません。よって、既に死亡している保険金受取人の相続人が複数いる場合には、別段の合意がない限り次の民法427条の規定に基づき、各相続人は平等の割合で保険金を取得することになります。ご相談の場合、長男1,000万円、長女1,000万円の受け取りとなります。

民法 (分割債権及び分割債務)
第四百二十七条
 数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。


 ただし生命保険会社は、約款でこれらと異なる定めをすることも可能とされています。約款にて、保険金受取人の死亡についての定めがあれば、確認しておきましょう。

 保険金受取人の死亡後も生命保険契約の変更を行わず、そのままになっているケースはよく見受けられます。保険金受取人の死亡後、保険事故(給付事由)発生前に、契約者が新たに保険金受取人の指定を行えば、その人に保険金が支払われます。保険金受取人の変更を失念していたがために、思いもよらなかった人に保険金が支払われたり、受け取って欲しかった人が受け取れないケースもあります。家族構成の変化があった場合は特にですが、定期的にご自身やご家族が加入している生命保険の見直しをしましょう。


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