トラブルにならないための〜法律の相続対策
トラブルにならないための〜法律の相続対策
文書作成日:2018/05/20


 今回は相談事例を通じて、子供が被相続人の養子になっている場合の相続についてご紹介します。



 私の母が亡くなり、相続が開始しました。私の父は既に他界しており、私には未成年の子がありますが、亡くなった母の養子となっているので、母の相続人は私と私の未成年の実子の2人になります。
 この2人で亡き母の遺産分割協議をすることとなると思いますが、何か気をつける点がありますでしょうか。




 未成年者が法律行為をするためには、その法定代理人の同意を得なければなりません(民法第5条)。遺産分割協議を行うことは、この法律行為にあたります。よって、未成年のあなたのお子様自身では、亡きお母様の相続財産の遺産分割協議を行うことができません。そのため、法定代理人が未成年者に代わって協議をする必要があります。




 未成年の子の法定代理人は親権を行使する父母となります(民法818条第1項)。ただし、子が養子であるときは養親の親権に服します(同上第2項)。

 養親子関係は死亡により終了しませんので、あなたのお子様の場合、亡きお母様とあなたのお子様の養親子の関係はお母様亡き後も継続しており、お母様が亡くなった後に、実母様であるあなたの親権が復活するわけではありません。

 こうしたことから、あなたのお子様は、お母様亡き後は親権を行使する法定代理人がいない状態となっています。この未成年者に対して親権を行う者がないときは、未成年者の保護の観点から未成年後見が開始します(民法838条)。

 つまり、未成年後見が開始した状態で、法定代理人である未成年後見人が家庭裁判所によって選任されていない(民法第840条)現在のままでは、亡きお母様の相続財産に係る遺産分割協議を行うことができないということになります。

 よって、お子様が未成年の間に亡きお母様の遺産分割協議を行うためには、家庭裁判所に対し未成年後見人の選任を申立て、その選任された未成年後見人とご相談者様との間で遺産分割協議を行うこととなります。

 なお、未成年後見人は、未成年者の財産を保護するという観点から遺産分割協議に参加するので、未成年者の法定相続分を確保する必要があるなど、通常の遺産分割と異なることがございますので、対応については、司法書士、弁護士などの専門家にご相談をされることお勧めします。


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