トラブルにならないための〜法律の相続対策
トラブルにならないための〜法律の相続対策
文書作成日:2016/07/20


 今回は相談事例を通じて、行方不明の相続人がいる場合の対応についてご紹介します。




 1年前に父が亡くなりました。相続人は母と私と弟だけですが、弟が5年前に家出したまま行方が分かりません。住所を調べてみましたが届出がなく、生きているのか亡くなっているのかも不明です。父の遺産をそのままにしておく訳にもいかないので、手続きをしたいのですが、弟が行方不明のため進められず困っています。どうしたら良いのでしょうか。




 方法としては、家庭裁判所に申し立て、失踪宣告をしてもらう方法と、不在者の財産管理人を選任してもらう方法の二通りがあります。




【失踪宣告】

 不在者の生死が不明で下記失踪宣告の要件を満たしている場合には、失踪宣告の申立をすることができます。失踪宣告がなされると、弟さんは死亡したものとみなされるため、弟さんの相続人とお母さん、あなたで遺産分割協議を行うことになります。

  

 弟さんの場合、普通失踪になるので生死不明となったときから7年を経たないと失踪宣告の申立ができません。失踪宣告の手続きを選択されるならあと2年期間が必要です。

【不在者の財産管理人】

 家庭裁判所に不在者の財産管理人を選任してもらい、遺産分割協議には、財産管理人が弟さんの代わりに参加します。但し、財産管理人は遺産分割協議をする権限(財産の処分)を有していないため、財産管理人選任後、再度家庭裁判所に「権限外行為の許可」を求める必要があります。


 失踪宣告は生きている可能性のある人を死亡の扱いにする制度のため、どちらの制度を利用すると良いのか、十分家族間で検討されることをお勧めします。



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