家と財産を守るための〜不動産の相続対策
家と財産を守るための〜不動産の相続対策
文書作成日:2016/05/20


 平成28年は地価公示価格が上昇したようですが、相続税などへの影響はありますか。




 先日、平成28年の「地価公示価格」が発表されたというニュースを見ました。8年ぶりに地価が上昇したとありましたが、相続税などへの影響はあるのでしょうか。




 全体的な地価の動向としては、リーマン・ショックを契機とする資産価格の下落という長いトンネルを抜け、ようやく上向き局面に移行したということがいえます。また、三大都市圏で先行していた地価の上昇傾向が札幌、仙台、広島、福岡といった地方中枢都市やその他の都市にも波及していることも特筆すべき点です。したがって、7月に発表される相続税路線価についても、今回の地価公示価格の影響を受け、地価が上昇している地点の付近については相続税路線価も上昇し、相続税額にも影響を与える可能性があります。
 なお、日銀がマイナス金利の導入を決定したのは1月29日ですので、この影響は本年の地価公示価格、相続税路線価とも織り込まれていないことにも注意が必要です。




 地価公示という制度は、地価公示法という法律に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、適正な地価の形成に寄与するために、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示しているもので、主な役割としては以下のようなものがあります。

  • 一般の土地の取引に対して指標を与えること
  • 不動産鑑定の規準となること
  • 公共事業用地の取得価格算定の規準となること
  • 土地の相続税評価および固定資産税評価についての目安となること
  • 国土利用計画法による土地の価格審査の規準となること  等

 上記にあるように、地価公示価格は相続税評価や固定資産税評価の目安になるとされています。相続税や贈与税の申告にあたっては一般的に路線価等(いわゆる相続税路線価)が用いられますが、相続税路線価は、地価公示価格の水準の80%程度で評価されており、その均衡化・適正化が図られています。
 なお、地価公示価格、相続税路線価ともに毎年1月1日が評価の基準日とされていますが、地価公示価格の発表は例年3月の中〜下旬、相続税路線価の発表は例年7月初旬となっており時間差があります。

 今回の地価公示価格の概況をみてみましょう。全国平均では、全用途平均で昨年までの下落から上昇に転じました。用途別では、住宅地はわずかに下落しているものの下落幅の縮小傾向が継続、商業地は昨年の横ばいから上昇に転じ、工業地は昨年の下落から横ばいに転じました。三大都市圏をみると、住宅地はほぼ前年なみの小幅な上昇を示し、商業地は総じて上昇基調を強めています。また、工業地は東京圏で上昇基調を強め、大阪圏および名古屋圏では昨年の下落から上昇に転じました。地方圏をみると、地方中枢都市では全ての用途で三大都市圏を上回る上昇を示しています。地方圏のその他の地域においても全ての用途で下落幅が縮小しました。

 なお、国土交通省では、住宅地・商業地の用途ごとに地価の動向と背景を下記のように分析しています。
  • (住宅地)
     全国的な雇用情勢の改善や、住宅ローン減税等の施策による需要の下支え効果もあって、地価は総じて底堅く推移している。
  • (商業地)
     外国人観光客の増加などによる店舗、ホテル需要の高まりや主要都市でのオフィス空室率の低下などによる収益性の向上を背景とし、不動産投資意欲は旺盛で、地価は総じて堅調に推移している。

 


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