お金に困らないための〜税金の相続対策
お金に困らないための〜税金の相続対策
文書作成日:2016/05/05


 私の自宅は父名義の土地の上に建っており、この土地を確実に私名義にしたいのですが、何かよい方法はありますか?




 父が高齢になり、近頃は入退院を繰り返しています。
 私の住まいは父名義の土地の上に建っているのですが、父の相続が発生した際にスムーズに私が相続できるのか、心配です。
 私には姉がいるのですが、ここ10年ほど音信不通で、父母とも連絡を取っていないようです。
 私の自宅の土地は確実に私名義にしたいのですが、何かよい方法はありますか?




 一般的には、お父様に「その土地をあなたに相続させる」という内容の遺言書を残していただくということが考えられます。法的に効力のある遺言書であれば、お姉様の実印、印鑑証明書などの準備をお願いすることなく、名義変更の手続きが可能です。
 しかし、遺言書はお父様の意志で作成するものであり、何度も書き直すことができます。また、相続時まで所有権は移転しません。そのため「本当にもらえるのか“精神面”での不安が続く」という意見も多くお聞きします。
 一方、生前にお父様から贈与を受けて所有権を移転する、という方法もありますが、「生前に土地の贈与を受ければ、莫大な税金が発生するのではないか」と、こちらは“金銭面”での不安をお聞きします。そこで検討したいのが、「相続時精算課税制度」という方法です。




 「相続時精算課税制度」は、平成15年1月1日より新たに設けられた贈与税の特例で、一定の贈与を相続財産の前渡しと捉え、非課税枠2,500万円(贈与者1人あたり)までの贈与には贈与税を課さない、という特例です。非課税枠を超えて贈与を受けた場合には、超えた部分に対して一律20%の贈与税が課されます。
 そして“相続時精算課税”という名の通り、将来贈与者が亡くなったときに、その贈与を受けた財産を相続財産とみなして他の相続財産と合計して相続税の計算をし、相続時精算課税制度を適用して既に支払った贈与税と差引計算します。その結果、不足額があれば納税をし、過納額があれば還付を受けることになります。
 この制度は受贈者の選択制であり、一度選択すると取り消すことができません。また、相続時精算課税制度の適用を選択した贈与者からの贈与については、暦年課税である110万円の基礎控除の適用を受けることができませんので、注意が必要です。
 お父様がお元気な間に贈与を受けることにより、お姉様に印鑑等をお願いする必要もありませんし、また、相続を待たず確実にご自身の名義にすることにより不安を取り除くことができます。
 ただし、相続による移転であれば非課税となる不動産取得税が課される、名義変更時の登録免許税の税率が相続を原因とした場合よりも高いなど、諸費用の負担は重くなります。また、贈与により取得した土地は、相続税の特例である「小規模宅地等の減額特例」の適用を受けることはできない、など注意点もあります。

  コスト、効果、注意点などを比較し、慎重に検討しましょう。    

 


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