やさしい税務会計ニュース
やさしい税務会計ニュース
文書作成日:2021/10/05
決算賞与を当事業年度の損金に算入するための要件

[相談]

 私の経営する会社は、間もなく決算日を迎えます。
 当事業年度は、コロナ禍のため事業運営が非常に厳しかったのですが、従業員一同の奮闘により黒字計上できる見込みとなりました。
 その従業員の労苦に報いるために、従業員に対し決算賞与を支給(支給日は決算日の翌日以降)したいと考えておりますが、その決算賞与が法人税法上、当事業年度の経費(損金の額)に算入されるための要件を教えてください。


[回答]

 ご相談の決算賞与が当事業年度の損金の額に算入されるためには、その支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての従業員に対して当事業年度中に通知をしていることなどの要件を満たす必要があります。詳細は下記解説をご参照ください。


[解説]

 法人税法上、従業員に支給する賞与は原則として、実際にその支払が行われた日の属する事業年度に損金算入を認めることとされています。

 一方で、今回のご相談の決算賞与のように、決算日時点では未払である従業員賞与のうち下記の要件を満たすものについては、その内容から実際に賞与の支払が行われたものと同視し得るような状態にあることから、従業員にその支給額の通知をした日の属する事業年度において支給されたものとして、その事業年度の所得の金額を計算するものと定められています。

(要件)

@ その支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての従業員に対して通知をしていること。

A @の通知をした金額をその通知をしたすべての従業員に対し、その通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から1ヶ月以内に支払っていること。

B その支給額につき、@の通知をした日の属する事業年度において損金経理(経費計上)をしていること。

 上記の要件のうち、特に重要なのが@の従業員への通知です。この通知は、(決算賞与を当事業年度の経費とするためには)必ず当事業年度末までに行う必要がありますので、くれぐれもご注意ください。

 なお、パートタイマー等の場合は、他の従業員(正社員)と雇用関係が異なるところから区分して支給額の通知の有無を判定してもよいとされています。
 ただし、パートタイマー等であっても、雇用関係が継続的で他の従業員と同様の賞与の対象としている場合については区分することなく通知が必要とされていますので、この点にもご留意ください。

[参考]
法令72の3、法基通9-2-44など


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。